データサイエンティスト新卒就活の企業選びの軸

「データサイエンティストとして新卒就活をする上でどんな基準で企業を選べばいいのかわからない」

「データサイエンティストの観点から見てどの企業に就職するのがおすすめ?」

質問に回答するのがこの記事です。

データサイエンティスト新卒就活での企業選びで考えた方がいい軸についてお話をしていきます。

事業会社か受託会社か

事業会社とは自社で事業を行っている会社です。不動産や金融といった業界がそれにあたります。一方で受託会社は他の会社のビジネスを手伝う会社です。コンサルティング会社や広告会社がこれにあたります。

事業会社のメリット

まず安定性があります。終身雇用の崩壊が叫ばれてはいますが、特に大手の会社は自社で業界内で知られたような事業を持っていて十分な資産もある企業はちょっとやそっとで潰れることはありません。

また1つの事業に長く携わりたいという人には非常におすすめができる進路です。自社サービスへの愛着がある人にとってはそのサービスのデータを細かく見ることができたり自分の能力で貢献できることは喜びとなるでしょう。

特定業界に対して専門性を持てるというのも大きなポイントです。例えば金融業界のデータサイエンティストを経験していれば金融業界で他の職種に転職することも可能です。不動産が好きな人であったり特定のメーカーが好きな人はその業界の中で一生を働き続けられるというメリットはあります。

受託会社のメリット

受託会社のメリットは様々なデータに触れられることです。顧客企業の業界が限られていないため好奇心旺盛な人は楽しいでしょう。分析手法や業界の背景知識も新しくインプットし直すことが多く、刺激が多いです。

コンサルティング会社などは若いうちから一流のビジネスマンとして見られることが多いので成長する環境としてはぴったりです。コンサルがおすすめの理由は以下の記事でも語っています。

データ分析を専門とする企業は受託会社も多いです。例えばブレインパッドはデータ分析におけるリーディングカンパニーで、非常に就活生人気が高いです。専門性のあるキャリアを歩みたい人にとって受託会社は良い選択肢となるでしょう。

データサイエンスの3つの力のうちどこを強みにする企業か

サイエンティストが必要とされる能力は以下の3つです。

引用元:https://www.datascientist.or.jp/symp/2021/pdf/20211116_1400-1600_skill.pdf

このことについては聞いたことのある人が多いでしょう。

その上で3つのスキルのうちどこを重視していて強みとする会社なのかがとても大事です。

鍛えたい能力別に成長できる進路を以下の記事で紹介しているので良かったら合わせて見てみてください。

自分がどんな人材になりたいのかを考えて逆算して進路を選びましょう。

社内におけるデータサイエンティストの立ち位置

データサイエンティストと一言で言っても実は社内における立ち位置は様々です。同じ名前の職種ではあっても業界や企業によってその扱われ方には雲泥の差があります。

人数と会社全体に占める割合

まず確認しておきたいのはデータサイエンティストの人数と社内全体に占める割合です。社内全体でデータサイエンティストが10人もいないような中規模以上の企業だと、おそらくデータ分析の基盤もまだ整っておらず、分析をするための仕組み作りから入らなければいけないことになります。

こういったタイプの企業はデータサイエンスのブームに乗って社内公募や中途採用でなんとか人を集めたもののまだ上手く回っていないケースが経験上多いです。

ただしデータサイエンティストの人数が少なくても全体の人数が少なく少数精鋭の体制をとっている技術系の企業であれば話は別です。優秀な人を中途で採用している傾向があり、そういった人にメンターとして教えてもらえるケースが多いです。

データサイエンティストの社内に占める割合はその企業の中でのデータサイエンティストの発言力にも大きく影響するので必ず考慮しておきましょう。会社は組織である以上数は力です。データサイエンティストの意見なんて聞いても聞かなくてもいいと社内全体から思われているような企業も実はやります。データサイエンティストがちゃんとリスペクトされている企業を選びましょう。

出世ルート

データサイエンティスト出身の人が出世しているかどうかも大事なポイントです。古き良き日系企業では特に営業上がりの人が出世するコースが出来上がっていることもとても多いのです。技術系出身の人がマネジメントに移行できているのかをちゃんとチェックしましょう。

また近年はスペシャリストとしてマネジメントをせずに技術を極めるようなデータサイエンティストの働き方もあります。海外ではこういった働き方は盛んですが日本ではジェネラリストという考えもあってデータサイエンティストはなかなかこういった働き方はできませんでした。

最近ジョブ型雇用という概念が浸透して一部の企業ではこういったスペシャリスト型のルートもあります。自分が将来的にどのようなキャリアを描くのか明確に想像ができてかつ社内にベンチマークが存在することが大事です。

給与体系

給与体系もしっかり見ておきましょう。伝統的な日経企業においてはいくらデータサイエンティストといえども他の総合職の人と給与は変わらないことが多いです。

一方でメガベンチャーの場合は個人単位で成果に応じた報酬が支払われることも多いです。外資系の企業であれば技術職に対して高い給料が支払われるということは多くの方がご存知でしょう。

自分の望む給与体系のある会社なのかを事前に把握しておくことで将来設計とのミスマッチが減ってきます。

新卒と中途の割合

意外と見落とされがちなのが新卒と中途の割合です。

中途採用でたくさんの人が入っている場合は彼らから高度な技術を学ぶことができる環境もあるかもしれません。また高度な技術者がそれだけ転職してきているということはそれだけ技術を生かせる魅力的な職場である確率も高いです。

一方で新卒入社や若い年次の人が多い職場においてはあまり高いスキルが要求されていないかつ成長環境もあまり準備されていないこともあります。

逆に新卒が少なすぎてもいけません。教育体制が整っていない可能性があるからです。データサイエンティストの新卒採用は2020年頃から活発になってきたので、まだこの辺りの研修制度は整っているところの方が少ないでしょう。

中途採用の優秀な人に教わるにしろ研修で教わるにしろ自分が業務や技術を学んで成長できる未来が見えるような会社を選びましょう

データサイエンス事業部の新しさ

データサイエンス事業部は最近になって新設されているところが多いです。あまり新しすぎるところだと社内でまだ浸透していないためデータをかき集めるのに苦労したりデータ分析基盤が十分でない可能性があります。

新しすぎる部署は社内公募による寄せ集めであることも多いので、スキルレベルとしては正直低いところも多いです。

データサイエンスを本格的に事業部として発足してからどれだけの月日が経っているのかを確認しましょう。また既存クライアントに対してどのようなサービスを提供してどのように利益を得ているのかなどまで詳しく知る必要があります。

データサイエンス専門の事業部でない場合はどこの部署に配属されることになるのか、その部署におけるデータサイエンスの試みはいつから始まったのかを聞いておきましょう。

データサイエンスの部署は個人的には新しすぎるところはおすすめしません。ノウハウがストックされていて人材も豊富なところに行くことが自分が成長するためには大事です。

無論ノウハウの確立していないところの方が若くても当然裁量権を渡されることにはなると思うのでそこのトレードオフはあります。好みによってそちらを選択肢もありです。

分析データの内容

どんなデータを分析するのかも会社によってかなり異なります。

金融系の会社に進めば一生金融系のデータを触る可能性が高いですし、ヘルスケア業界に行けばヘルスケア関係のデータを使うことになります。

受託系の企業に行けばその企業が主なクライアントとしている顧客データを扱うことが多いでしょう。事業会社に比べて受託会社の方が様々なデータを扱うことが可能です。

分析するデータの内容によって癖があり、将来的な進路も決まってきてしまう部分はあるので意外と新卒の時点で大事なポイントです。

自分に合った会社に進もう

ここまで様々な軸を挙げてきましたが、実際はまだまだ考慮しなければいけないポイントもたくさんあります。細かい部分も含めて今後このサイトやYouTubeでの発信をしていきたいと思います。

大手かベンチャーかという軸でもよく質問を受けるので、以下の記事ではそのことについても説明しました。よかったら合わせて読んでみてください!

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