「データサイエンティストとして新卒採用されたいけれど志望動機を聞かれてもうまく答えられない」
「インターンシップのエントリーシートをうまく書けない」
そんな悩みを解決する記事です。
データサイエンティストの志望動機として何を書けばいいのか就活生からよく聞かれます。そこで一般的な就活とは異なるデータサイエンティストの志望動機の書き方をお伝えします。
データサイエンティストの志望動機を聞かれたら分割して考える
基本的な方針としてはデータサイエンティスト的な志望動機と一般的な志望動機を両方用意しておき必要に応じて両方説明できるようになっておくことが大事です。
業界や企業についての一般的志望動機
一般的な志望動機とはデータサイエンティスト職以外の総合職の人も使っている志望動機です。今の時代はワンキャリアや就活会議で調べればこの点の情報は出てくるので特に大手企業志望者の人はそこまで苦労することはないでしょう。だいたい型が決まっています。もちろん一般的に総合職を受ける程度の難易度はありますがデータサイエンティスト新卒就活特有の高度さは必要ありません。
データサイエンティストならではの志望動機
多くの人にとって悩ましいのがこちらの部分です。
その企業特有のデータサイエンスの取り組み
ESを提出する企業は今データサイエンスでどんな取り組みを行っているでしょうか。例えばデータサイエンス系のコンペに出場した人のインタビュー記事がネット上に出ていたら必ず読みましょう。その上でその人の所属部署に関して公式サイトで調べて、コンペで活かすようなデータサイエンスが実際にどのように現場で使われているのかを理解します。さらにその事業部自体の歴史を調べ上場企業であればIR資料などを調べて、会社全体の方針の中でデータサイエンティストがどのような役割を果たしているのかを調べます。無論ここまで深く調べるのは志望度の高い企業に限った話でも良いですが、このくらいまで調べるとデータサイエンティストの観点から事業全体にどのような貢献ができるのかを深い解像度で語ることができるようになります。近年のデータサイエンティスト新卒就活においてはES時点で切られることもとても多いのでここの部分のリサーチは大事になります。
その企業のデータの特徴
業界や企業によって集まるデータの種類はかなり違ってきます。例えば企業向けECサイトの大手であるモノタロウでは、ECサイトなので顧客ごとの購入データが多く集まっています。レシピサイトであるクックパッドでは、料理やレシピの莫大なデータとそれぞれのレシピへの口コミが集まっています。自動車の自動運転事業においては、画像解析などのデータが集まっているでしょう。その企業によって集まるデータは様々です。自分の研究分野にどのように結びつくのかを把握しておき、その上で貢献できる場所を明確にすることが大事です。
その業界におけるデータ活用の特徴
自分の目指す業界は他の業界に比べてデータの活用が先進的でしょうか。それとも遅れているのでしょうか。またデータの活用にはどのような課題があるでしょうか。業界によってこの点はかなり異なります。データが正しくストックされていないからデータが活用できない業界もあれば、セキュリティ体制が課題であることもあります。効率よくデータ分析のリターンを得られるようなビジネスモデルがまだない場合もあります。せめて自分の目指す業界だけでもいいので業界全体としてどのような課題があり自分の目指す会社がどのようにそこを解決しようとしているのかを把握しましょう。
自分の研究分野とその企業でのデータ事業の結びつき
志望動機を作る上ではここが一番大事になります。自分の研究分野を使ってどのようにその会社に貢献できるのかを語ることがデータサイエンティストとしての志望動機の作り方と言っても過言ではありません。一般的な文系の就活のようにサークル経験やアルバイト経験を語ることではなく、即戦力として自分のデータ解析の経験をどのように活かせるのかを語る必要があります。この部分については大学院入試の研究計画書の作成にも似ているかもしれません。感覚的なものではなく実績に基づいて論理的に語る必要があります。自分の研究では何をやってどんな成果を出してきたのか、どんな手法を用いてきたのかを把握して、この記事内で述べてきたような企業研究を行えば、どこかで自分の企業への貢献方法が見えてくるはずです。過去のエントリーシートを参照していても、この部分は千差万別なので、自分である程度オリジナルで考える必要があります。
過去の出題例
2023年のM3やリクルートのサマーインターンシップ選考の面接においてはやはり研究内容をどのように事業に活かせるのかについて聞かれたようです。メガベンチャーということもありこの辺りはビジネスベースでシビアに見られるのでしょう。これらの会社のビジネスモデルや業界内での立ち位置を十分に把握していないと自分の研究内容を活かす方法は分からないはずです。ここで答えに詰まってしまい落ちた人もたくさんいるようです。もちろんその年度によって質問内容は変わってくるのであくまで参考程度に考えて欲しいのですがデータ分析専門企業ではなくこういったビジネス系のメガベンチャーにおいても研究内容については聞かれることを認識しておいてください。その上で自分の研究内容と結びつけた上で志望動機を作る必要があります。
ここがデータサイエンティスト就活の難しさであり一般的な志望動機の作り方と間違いなのです。
研究内容の整理と事業内容との結び付けが大事
ここまで話してきたことをまとめます。
自分のやってきた研究内容を整理して事業内容と結びつけることがデータサイエンティストならではの志望動機の作り方です。そして研究内容を事業にどう結びつけるかを考える上で必然的に業界研究から企業研究に至るまでの応募先のリサーチは必須になります。文系であれば漠然とした志望理由でもある程度通るかもしれませんが理系はそうはいきません。この点にデータサイエンティスト就活の特異性があります。
簡単な作業ではありませんが着実にやっていけばできることです。また大事なこととして現役のデータサイエンティストや直近の内定者からのフィードバックを得ることも大事です。一般的な就活を経験してきた人では研究やデータサイエンスの分野に明るくないことが多いので、データサイエンティスト的な志望動機の部分を見ることができないからです。そういった指導者を得ることもデータサイエンティストとして志望動機を作る上ではとても大事なことです。以下の講座も検討してみてください。